米国株投資

S&P500のデメリット

長期的には株価が右肩上がりであるというメリットのある米国株指標「S&P500」ですが、もちろん投資対象として万能ではありません。

色々な点が優れている投資対象ではありますが、欠点もあります。

今回は、そんなS&P500への投資のデメリットをまとめたいと思います。

海外ETFなら海外と日本で配当(分配金)が二重課税される

S&P500へ投資する場合、S&P500に連動する投資信託ETFのどちらかを選択することになります。

この点につき、ETFの場合は国」の運用会社のETFと海外の運用会社のETFの2種類があります。

ここで問題になるのが、「海外」の運用会社のETFを選択した時の税金です。

投資においては、通常は配当・分配金や売却益などの「利益」に対して約20%の税金がかかります。配当が1万円ならば、およそ2000円が税金として引かれて、自分の手元に残るのは約8000円になります。

ところが、海外のETFなどの配当の場合は、まず現地で10%課税されます。そして、その「10%引かれた額」からさらに国内で約20%の税金が引かれるということになります。

海外ETFの配当2段階課税

①現地(海外)でまず10%の税金が引かれる
②その後、残った金額全体から国内で20%の税金が引かれる

オレンジ兄さん
オレンジ兄さん
いや、ふざけんなよ。なんで2回も税金を取られなきゃいけないんだよ。
ウォール街 ちん太
ウォール街 ちん太
こればっかりは税法なのでどうしようもありません。

もっとも、確定申告で手続きをすれば、海外課税の10%部分は一部を取り戻すことができます。

国内への投資と比べて税金の割合が高く、さらに一部を取り戻すためには「確定申告」という手続きをしなければならないというデメリットが米国株投資にはあります。

ウォール街 ちん太
ウォール街 ちん太
海外課税を取り戻す確定申告は義務ではないので、必ずやらなければならないわけではありません。もっとも、資産額が多ければ多いほど、国内に比べて余計に払う税金も多くなっていきますが。

ちなみに、S&P500連動の海外ETFは下記の3つとなります。

S&P500 海外ETF

・「SPDR S&P500 ETF (SPY)」
・「iシェアーズ・コアS&P500 ETF(IVV)」
・「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」

為替(かわせ)の影響を受ける

為替とは

S&P50」は米国株の指標です。そのため、株価などは米国の通貨であるドルが単位となっています。

私たちは普段日本で生活しているので、いつも使っている通貨は円(えん)です。

米国企業の株は「ドル」で値札がついているので、日本にいる私たちが米国株を購入するには、まずは自分たちの持っている「円」を「ドル」に換えなければなりません。

この「円」と「ドル」の交換比率は24時間常に変化しています。そのため、「円」を「ドル」に交換する時、「ドル」が多く貰える時もあれば、予想外に少なくなってしまう時もあります。

このように「異なる通貨があること」、「異なる通貨の交換比率が常に変わっていること」などを指して「為替(かわせ)」といいます。

ウォール街 ちん太
ウォール街 ちん太
「外国に投資すると為替の影響もあるからなあ・・・」とか、「為替の影響で損しちゃったよ・・・」というように「為替」という言葉は使います。

日本人が米国に投資する時の為替の影響

米国株を自分で購入するには、まずは円をドルに交換しなければなりません。

もっとも、日本の証券会社でS&P500などの米国企業を対象にした商品を購入する場合、円とドルの交換比率も含めて値段に反映されているものも多いです。その場合は、自分で円をドルに交換する必要がなく、円の価格だけを見ながら米国を対象にしたものを買えます。

その場合はS&P500の株価の値動きだけではなく円とドルの交換比率の変動も価格に反映されているので、自分がその時確認していたS&P500の株価とは離れたイメージで値段が高くなっていたり安くなっていることもあるかもしれません。

このような為替の影響があるのは、株などを含めて外国の通貨で値段がついているものを①購入する時と②売却する時です。

通貨の交換比率は常に変わっているので、交換比率のみで得をしてしまうこともあれば、損をすることもあります。

外国のものを購入する時は、円を外国の通貨に換えることになります。その時は、「円高」だと得をしやすくなります。逆に「円安」だと損をしやすいといえます。

逆に外国のものを売却したら、まずはその外国の通貨が手に入ります。その外国の通貨を円に交換する時に為替の影響を受けます。外国の通貨を円に換える時は、「円高」だと損をしやすく、「円安」だと得をしやすいです。

ウォール街 ちん太
ウォール街 ちん太
円をドルに交換することも含めてS&P500に投資する場合は、「円高ドル安」だとチャンスです。

大元の情報は英語

S&P500は米国の主要企業500社が対象です。そのため、企業情報などのオリジナルは英語のものとなります。

日本の証券会社のホームページなどにも米国企業の情報は日本語で載っていますが、もし自分でオリジナルの情報を見たいと思ったら、米国株投資をするには相応の英語力が必要かもしれません。

国内投資に比べたら、証券会社は少ない

S&P500に投資する場合は、S&P500連動の投資信託ETFを購入することになります。

こちらがS&P500連動の投資信託・ETFのまとめになります。

S&P500は米国の企業を対象にしたものなので、当然ですが日本の企業を対象にした投資信託・ETFよりも扱っている証券会社が多くありません。

特に海外ETFを購入する場合は、マネックス証券・SBI証券・楽天証券などからしか買うことができません。

そのため、日本国内に投資する場合に比べたら、証券会社の選択肢そのものが少ないというデメリットがあります。

指数採用銘柄は必ず割高な部分がある

S&P500指数は米国の格付け会社「スタンダード&プアーズ」が選んだ500社が対象になっています。

そして、S&P500に連動する金融商品を扱っている運用会社は、「スタンダード&プアーズ」がS&P500に選んでいる企業を入れ替えたらその通りに銘柄を入れ替えなければなりません。

S&P500から除外された企業を売り、新たにS&P500に加わった企業を買うことになります。

S&P500に連動する商品を扱っている全ての運用会社が自動的にこの動きをすることになります。そのため、その企業の業績の良し悪しに直接関係なく、新たにS&P500に加えられた企業は大量に運用会社に買われることになります。

運用会社が扱っている金額の規模は大きいため、自動的に買われているS&P500に採用された会社の株価はその部分においては一定程度割高になっているもいえます。

中・小型企業は投資対象にない

S&P500に採用されているのは米国の主要企業であり、「大型企業」と表現されることもあります。

「大型」と対になって使われるのが「中・小型」という表現です。「中・小型企業」というのは、文字通り「大型企業」よりは規模が小さい企業になります。

大型企業は規模も大きく経営が安定しているのに対して、中・小型企業はそこまで経営の安定性はありません。投資対象としては、中・小型企業よりも大型企業の方が安全です。

もっとも、中・小型企業の会社の規模が小さいということは、まだまだ大きくなる余地があるということです。言い換えれば、規模の小さい時に投資しておけば規模が大きくなった時に大きな利益を得られる可能性があるということです。

S&P500は長期投資ならば安定して結果が出ることが証明されていますが、中・小型企業が大きな会社になった時ほどの利益は望めません。

このS&P500の欠点は長期投資の名著・「ウォール街のランダム・ウォーカー」でも『S&P500指数はアメリカ経済の最もダイナミックな部分を構成する、何千もの中小企業群を除外している』と表現されています。

新興国よりはリターンが少ない

上記のデメリット「中・小型企業は投資対象にない」と似ていますが、S&P500が扱っている企業は米国という先進国のものです。

一般論として、成長の余地があるのは先進国よりも新興国です。既にある程度の成長をした先進国は、新興国・発展途上国ほどの爆発的な成長をすることはありません。

そのため、米国という先進国を対象としたS&P500への投資は、新興国への投資が成功した時ほどの高い利益は期待できるものではありません。

投資自体が退屈

S&P500への投資は、短期的な株価の上がり下がりはあっても、長期的には必ず株価が上がっていることが歴史上証明されています。

そのため、S&P500への投資は長期投資であることが必須の条件です。

この点、長期投資というのは、言い換えれば購入した後は「何もしない」ということです。

投資活動としては、「何もしない」ということが退屈と感じる人もいるかもしれません。S&P500と投資対象は決まっているので、新たな投資先を探す必要はありません。また、長期投資のため売却タイミングを考える必要も基本的にはありません。

バブルで大儲けしている投資家が隣にいたとしても、「何もしない」ことが成功であるのがS&P500への投資です。

そのため、投資活動として「退屈」だと感じる人がいたら、それに関しては「デメリット」といえるかもしれません。

まとめ

以上、S&P500へのデメリットをまとめさせていただきました。

このデメリットは、分類すると以下の2つになると思います。

デメリットの類型2つ

・米国という海外へ投資することの特殊性
・リスクリターンのバランス

米国は海外であり通貨も違うので、その面においての投資の特殊性には慣れるしかありません。

そして、S&P500への投資は、米国の主要企業500社が対象ということで分散効果もありリスクは少ない反面、長期的には大きなリターンも望めます。

この点につき、リスクが大きくてもさらに大きなリターン求めたいのならば、S&P500ではなく米国の中・小型企業新興国に投資するべきということになります。

これはS&P500への投資のデメリットというよりは、どこに投資するべきかという根本の投資計画の問題かもしれません。

S&P500はリスク・リターンのバランスが取れた投資の良い選択肢です。あまりリスクがなくとも良いリターンを求めている方には、S&P500へ投資することをお勧めします。

S&P500へ投資する

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